看護師へ医療行為以外にも求められているものは、コミュニケーションスキルです。患者さんとのコミュニケーションが上手くできなければ、なかなか信頼関係を築けず、悩みや不安を和らげることができません。しかし、患者さんとのコミュニケーションは元気な人相手ではないという点から考えても難しいもので、言葉だけからではなく、身振りなど様子を観察しながら判断し、1人1人に合わせて気遣いながら行う必要があります。
患者さんとコミュニケーションを上手に取るためのコツとして、次の3つを押さえておきましょう。まず1つめは、「礼儀正しさ」です。「親しき中にも礼儀あり」という言葉があるように、どんなに親しみを持って接する場合でも、相手を尊重する姿勢という礼儀は忘れてはいけません。態度や言葉も丁寧に接することによって、気遣いの気持ちが相手に伝わり、信頼関係を築いていくのです。2つめに挙げるのは、「傾聴の姿勢」です。コミュニケーションとは聞くことと話すことをお互いが行うことです。そのため、声かけの際にも一方的に話すのではなく、質問のための間を取って相手の言葉を待つなど、「患者の話を待つ・聞く」という気遣いの姿勢を示すことによって、「話を聞いてくれる人」と認識され、信頼の気持ちが生まれていきます。3つめは、「気持ちのコントロール」です。多忙な時は気持ちの余裕がなく誰でもイライラしがちですが、そのような時は普段は言わないような強い発言をしてしまったり、口調が荒くなってしまいがちです。患者さんと接する時にはどんな時も気遣う気持ちを忘れず、イライラしてきたら深呼吸するなどして、冷静になれるように常に意識をしましょう。